広島の街とともに歩む味🍛八丁堀の老舗「Sun・Curry」で出合う、心ほぐれるカレーの時間

グルメ

🍛ある仕事帰りの足取りと、スパイスの誘惑

ある日の仕事帰り。一日を終えて少し疲れた身体が、無性に刺激のある食物を求めていました。

お好み焼きや瀬戸内の海鮮など美味しいものにあふれた広島の街ですが、そんな仕事終わりの晩にふと頭に浮かぶのは、もっと身近で、日常の暮らしにそっと寄り添ってくれる味です。迷うことなく、八丁堀の金座街アーケードに店を構える「Sun・Curry(サン・カレー)」へと向かいました。

行き交う人波を抜け、お店から漂うどこか懐かしいスパイスの香りに吸い寄せられるように扉を開けます。

気取らない広島の日常がそのまま息づくこの空間は、一日の終わりを優しく解きほぐしてくれるような、心地よい温もりに満ちていました。


🍛昭和レトロな男気と、テキパキとした活気が漂う店内

お店の目印は、通り沿いで一際目を引く黄色い看板と、歴史を感じさせるシックなロゴです。

店頭のショーケースをのぞくと、どこか愛らしい食品サンプルがずらりと勢ぞろい。そのレトロな佇まいを見ているだけでお腹の虫が鳴り出し、期待がぐんと膨らんできます。

お店に到着したら、まずは小窓を開けて外の食券機で券を購入します。

手に取って扉を開けると、そこに広がっていたのは、昭和の風情を残す渋く力強い空間でした。

店内には、長年磨き上げられてきたダークブラウンの木目調カウンターがまっすぐ伸びています。まったり長居するカフェというよりは、厨房から立ち上るスパイシーな香りと、「いらっしゃいませ!」「トンカツカレー入ります!」というスタッフの威勢の良い声が心地よく響く、活気にあふれた雰囲気。

空いている席に腰を下ろすと、仕事帰りの会社員や常連客たちがサッと席につき、目の前の一皿に没頭してサッと立ち去っていく姿が目に入ります。この無駄のないテンポの良さと適度な距離感に、長年この街で愛されてきた理由が凝縮されている気がしました。


🍛昭和37年から変わらぬ温もりと、受け継がれる思い

サン・カレーがこの八丁堀の地で歴史をスタートさせたのは、昭和37年(1962年)のこと。

創業者がかつてスタンドバー「広島トリス」を営んだのち、大阪のカレー店で修業を重ねて持ち帰ったその味わいは、半世紀以上にわたって広島の人々のお腹と心を満たし続けてきました。のちに登場する「桃丘」や「ガリバー」とともに「広島カレー御三家」と称されるようになり、地元に深く定着しています。

時代が移り変わり、周りのビルやショップが新しく姿を変えていっても、お店が放つ温かな空気感は創業当時のまま変わっていません。

長年受け継がれてきたこの味わいは世代を超えて親しまれ、「学生時代によく食べたから」と、大人になった今も足を運ぶ人が絶えません。この店はただのお食事処ではなく、広島の街の記憶そのものとして受け継がれています。


🍛爆速の提供スピードと、スプーンが止まらない絶妙な一皿

食券機で迷わず「トンカツカレー大盛」を購入し、カウンター席へ。

券を渡してからわずか数分。あっという間にカレーが運ばれてくる、このスピード感もたまりません。

お皿には、ターメリックが鮮やかな黄色いルーがなみなみと注がれています。さらりとした質感のルーから立ち上る香りに誘われ、ライスにしっかりと絡めてまずは一口。

マイルドで、どこか甘みすら覚える優しい口当たり。そこから尖った辛さではなく、スパイスと素材の深いコクがじわじわと波のように押し寄せてきます。

主役のトンカツは、スプーン一つでサクッと切れる絶妙な薄仕立て。サクサクの衣にさらっとしたルーがぐんぐん染み込み、ライスとともに口へ運ぶ手がすっかり止まらなくなってしまいました。

卓上のたくあんや福神漬けで時折アクセントを加えながら、ただ無心で味わうひととき。一日の疲れがスッと吹き飛ぶような、大満足の一皿でした。


🍛🏬本通りからふらりと立ち寄る、日常の最高峰ディッシュ

広島の街の魅力は、名所を巡るだけではありません。賑やかな本通り商店街を行き交う人々の熱気や、ふと路地に折れた先で長年愛され続ける老舗の扉を開くことの中にこそ、この街ならではのディープな面白さが詰まっています。

買い物や散策のついでに本通り周辺を歩く機会があれば、少し足を伸ばして「Sun・Curry」の黄色い看板を探してみてください。

注文からの圧倒的なスピード、サラッとした旨味たっぷりのルー、そしてサクサクの薄切りカツ。本通りの活気を感じながら味わうこの病みつきになる一皿は、日常の何気ない時間をとびきり特別なものにしてくれるはずです。


店舗情報

Sun・Curry(サン・カレー)

営業時間: 11:00〜19:30

定休日: 不定休(※月に1日程度のお休みあり)


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