広島の街を歩くと、最新のビルに混じって、どこか懐かしさを感じる建物に出会うことがあります。それらは、昭和初期に建てられ、原爆や戦後の復興を乗り越えてきた、歴史の証人たちです。
今回は、建築ファンはもちろん、ちょっとレトロな雰囲気を楽しみたい人におすすめしたい、広島市内に残るモダンな近代建築をご紹介します。それぞれの建物が持つユニークなデザインや、知られざる物語に触れてみましょう。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
1.歴史と未来をつなぐ、旧日本銀行広島支店
広島市中区の賑やかな通りに、ひっそりと佇む荘厳な建物があります。それが旧日本銀行広島支店です。1936年に建てられたこの建物は、爆心地からわずか380メートルという至近距離で被爆しながらも、奇跡的に倒壊を免れました。
特徴的なのは、その重厚な外観と、古典的な様式を取り入れた堅牢なデザインです。現在では資料館として一般公開されており、内部に入ると、被爆当時のままの姿が残された空間に圧倒されます。ここでは、歴史的な展示だけでなく、コンサートやイベントも開催され、文化・芸術の発信拠点としても活用されています。
- 旧日本銀行広島支店
- 住所:〒730-0036 広島県広島市中区袋町5-21
- 電話番号:082-504-2500
2.被爆した建物が生まれ変わった、広島アンデルセン
紙屋町の交差点に位置する広島アンデルセンは、被爆の歴史を持つ建物として知られています。この場所にはもともと、1938年に建設された旧帝国銀行広島支店がありました。原爆で大きな被害を受けましたが、倒壊を免れた一部の壁を再利用して再建され、長らく愛されてきました。
現在は新しく建て替えられましたが、旧建物のデザインや、レンガなどの素材が随所に活かされています。地下1階のベーカリーでは、美味しいパンやデリが並び、多くの人々で賑わっています。歴史的な面影を感じながら、食事を楽しむことができる、特別な場所です。
- 広島アンデルセン
- 住所:〒730-0035 広島県広島市中区本通7-1
- 電話番号:082-247-2403
3.ユニークなドームが目を引く、広島市江波山気象館
広島湾に突き出た江波山公園の頂上に、特徴的なドーム型の建物が見えます。これが広島市江波山気象館です。1934年に旧広島地方気象台として建設されたこの建物は、ドイツ表現主義の流れを汲むユニークなデザインが特徴で、美しい曲線と丸窓が印象的です。
この建物も被爆を経験しており、壁面にはその跡が残っています。現在は気象や地球環境について学べる科学館として活用されており、子どもから大人まで楽しめます。展望台からは、広島市街地や瀬戸内海を一望でき、美しい景色とレトロな建築の両方を楽しめるスポットです。
- 広島市江波山気象館
- 住所: 〒730-0835 広島県広島市中区江波南1-40-1
- 開館時間: 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
- 休館日: 毎週月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
- 料金: 大人100円、高校生・シニア50円、中学生以下無料
4.信仰と平和の象徴、世界平和記念聖堂
最後に紹介するのは、建築家・村野藤吾が設計した世界平和記念聖堂です。カトリック教会でありながら、戦後日本の復興と平和を願うシンボルとして、多くの人々の寄付によって1954年に建てられました。
重要文化財にも指定されているこの建物は、東洋と西洋の建築様式が融合した独特なデザインが特徴です。特に、内部のステンドグラスや石造りの内装は、厳かな雰囲気と深い安らぎを感じさせてくれます。平和への祈りが込められた、力強くも美しい建築物をぜひ訪れてみてください。
- 世界平和記念聖堂
- 住所:〒730-0016 広島県広島市中区幟町4-42
- 電話番号:082-221-0621
まとめ
広島に残る近代建築は、単に古いだけでなく、一つひとつが激動の時代を生き抜いてきた「物語」を持っています。建物の外観やデザインに注目してみると、これまでとは違った視点で広島の歴史を感じられるはずです。次回の広島訪問では、ぜひ「建物巡り」を旅のテーマに加えてみませんか。


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