広島県廿日市市(はつかいちし)。世界遺産・宮島の玄関口として有名なこのまちは、実は世界中のプレーヤーから**「けん玉の聖地」**として熱い視線を浴びています。
駅を降りれば大きなけん玉のモニュメントが出迎え、商店街の至る所にその意匠が凝らされている廿日市。しかし、なぜこの地が「発祥」となり、かつて「日月ボール」と呼ばれた商品が、現在の「けん玉」のスタンダードとして定着したのでしょうか。
今回は、誕生の瞬間から、実際に遊んでわかった「中毒的な楽しさ」、そして思わず息を呑む「神技」の世界まで、その魅力を詳しく紐解いていきます。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
1. 1921年、廿日市で産声を上げた「日月ボール」
私たちが今日手にする「十字の形をしたけん玉」。その直接の原型が誕生したのは**大正10年(1921年)**のことです。
当時、広島県呉市出身の**江草濱次(えぐさはまじ)**氏が、それまでの「刺す(剣)」と「一つの皿」だけだった玩具に、新たに「左右の受け皿」を設けるという画期的な改良を考案。江草氏はこの新しい形状を、以下のように見立てて名付けました。
- 日(太陽): 情熱的な赤い球体
- 月(三日月): 球を優しく受け止めるカーブした皿
この複雑な形状を精密に形にするため、江草氏が製造を依頼したのが、当時から「木工のまち」として知られていた廿日市の職人、**本郷東平(ほんごうとうへい)**氏(本郷木工・現 株式会社本郷)でした。この「考案」と「熟練の技術」の出会いこそが、現在の競技用けん玉の基礎を築いたのです。
2. 【名前の秘密】なぜ「日月ボール」が「けん玉」と呼ばれたのか
実は、棒の先に球を刺す遊び自体は江戸時代から「拳玉(けんだま)」などと呼ばれ存在していました。しかし、当時は形が定まっておらず、今の形とは大きく異なるものでした。
では、なぜ廿日市発祥の「日月ボール」が、一般名詞の「けん玉」として定着したのでしょうか。
- 圧倒的な普及率: 廿日市で作られた日月ボールは、これまでにない「技の多様性」が評価され、大正時代に全国で爆発的なヒットを記録しました。
- 親しみやすい呼称への統合: あまりにも生活に浸透したため、次第に商品名ではなく、古来の遊びの総称である「けん玉」という言葉でこの新しい形を呼ぶようになりました。
- 「廿日市スタイル」の規格化: この形状の完成度があまりに高かったため、いつしか「けん玉=この形」という共通認識が世界中に広まっていきました。
3. 【感想】実際にやってみた!けん玉にハマる「3つの快感」 😋
「けん玉って、子供の遊びでしょ?」——そう思っている方にこそ、一度手にとってほしい! 実際に体験して感じた、大人が夢中になる楽しさをお伝えします。
- 「カチッ!」と響く木の音に癒される皿に乗った時の乾いた音、剣に刺さった時の重厚な音。木製ならではの心地よい響きが脳に直接届くような感覚で、手触りと音の調和に心が落ち着きます。
- 脳がリセットされる「全集中」の時間揺れる玉をじっと見つめ、膝を柔らかく使って引き上げる。この数秒の間、不思議なほど雑念が消えていきます。スマホを置いて無心になれる、貴重なデジタルデトックスの時間になります。
- 10回の失敗の後の「1回の成功」が凄まじい練習して初めて皿に乗った瞬間のあの感動! 「できた!」という単純で純粋な達成感は、大人になってもこれほど嬉しいものかと驚かされます。
4. 【神技】極めるとここまでできる!けん玉の進化系 ⚡️
楽しさを知った先には、重力を無視したような驚きの技が待っています。聖地・廿日市で開催されるワールドカップでは、以下のような「神技」が次々と繰り出されます。
- 静止技の極致「灯台(とうだい)」:玉の上にけんを立てて、そのままピタリと静止させる驚愕のバランス技。
- 空中戦「ジャグリング」:玉とけんを空中に放り投げ、回転させながらキャッチして次の技へ繋げるスピード感溢れる技。
- 宇宙的な角度「月面着陸(ルナ)」:皿の縁だけで玉を支え、絶妙な角度で静止させる、現代ストリートけん玉の象徴的な技。
5. なぜ「廿日市」だったのか? 職人が支えた技術
廿日市が産地として発展したのは、高度な木工技術が蓄積されていたからです。
- 精密な「ろくろ技術」: 0.1ミリ単位の調整が、高度な静止技を支えています。
- 最適な素材の選定: 衝撃に強く、摩擦力も絶妙な「ブナ」や「サクラ」などの木材を厳選。
- 伝統の継承: 2000年に「廿日市市木材利用センター」が製造を再開し、職人の魂を絶やさず守り続けています。
6. 聖地を巡るなら外せない!おすすめスポット
| スポット名 | 特徴 | 所在地 |
| けん玉商店街 | 街灯やマンホールがけん玉デザイン | JR廿日市駅周辺 |
| ショップ&ギャラリー 夢 | プロ仕様が揃う専門店・神技が見れるかも | 広島県廿日市市廿日市2-1-35 |
| 廿日市市木材利用センター | 製造現場の見学や歴史資料の展示 | 広島県廿日市市木材港北1-1 |
まとめ:100年の重みと、これからの100年
大正時代に「日月ボール」として誕生した一振りの玩具は、100年の時を経て、世界中を熱狂させるスポーツへと進化しました。
廿日市が「聖地」と呼ばれるのは、単に発祥の地だからではありません。革新的な発明を形にした「技術」と、思わず大人がハマってしまう「楽しさ」、そして「神技」へと繋げた情熱があるからです。
広島を訪れる際は、ぜひこの歴史の息吹を感じに、廿日市まで足を伸ばしてみてください。一振りのけん玉が、あなたの日常に心地よい「全集中」の快感を運んでくれるはずです。



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