広島駅からJR山陽本線でわずか2駅、約5分。電車を降りると、そこには広島市内中心部の洗練されたビル群とは一線を画す、どこか懐かしく、それでいて独特の空気が流れる「横川」の街が広がっています。
駅周辺は単なる交通の要所ではありません。戦後の復興期から続く商店街文化と、若者たちが作り出す新しいアートやサブカルチャーが絶妙なバランスで混ざり合う、非常にユニークな進化を遂げたエリアを体感じながら、ある休日の散歩をスタートさせました。
🚊鉄道の記憶が息づく街

駅の改札を出て、まず目に飛び込んでくるのは、横川駅という駅名と広島電鉄(路面電車)のレトロな車両です。ガタゴトと音を、立てて走るその姿はまるで、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えますが、この光景こそが横川が、歩んできた歴史の象徴でもあります。
横川駅の歴史は、1897年(明治30年)の山陽鉄道駅開設に、まで遡ります。1906年の国有化を経て山陽本線となり、1936年には広浜鉄道(旧・可部軌道)が統合され、現在の可部線の基礎が確立されました。1945年の原爆投下により、駅舎が全壊するという悲劇に見舞われましたが、不屈の精神で復興を遂げ、今日まで広島の地域活性化を支え続けています。
1917年に開通した広島電鉄・横川線との接続を含め、古くから地域の交通の、結節点として発展してきたこの場所。見上げれば高架下に、はお洒落な看板やウォールアートが並び、古いものの価値を認めつつ新しい感性を継ぎ足していく、この街ならではのしなやかな空気が、流れています。
🍜陸橋の下に灯る、小さな活気
駅前広場から、シンボル的な石畳が続く「横川クロスロード」へと、足を踏み入れます。この日は休日ということもあり、平日の賑やかさに比べると人通りは少なく、街全体がのんびりとした休息の時間を過ごしているようでした。静かな商店街を、街並みを眺めながらゆったりと歩くのも、休日の散歩ならではの贅沢な時間です。
そんな落ち着いた雰囲気の中、少し歩みを進めた先に見えてきたのが、今回のお目当てである「中華蕎麦 一日一生」です。
お店があるのは、陸橋下のわずかなスペース。数名も入ればいっぱいになってしまうような、こぢんまりとした佇まいですが、そこだけが確かな熱気を放っているように感じられ、胸が高鳴ります。扉を開けると、外の静けさとは対照的に、きびきびとした動きでラーメンを、作る女性店主さんの姿がありました。
店内には、常連さんらしき先客が数名。決して広くはない空間ですが、そこには「凛とした空気」と「どこかホッとする安心感」が共存していました。少し緊張しながらも、カウンター越しに注文を伝えます。
今回の注文
- 徳島ラーメン(トッピング:ワンタン)
- へそ丼
🍜五感で味わう、至福のひととき

ほどなくして運ばれてきたのは、丁寧な仕事ぶりがひと目でわかる、美しい一杯でした。
まずはスープを一口。徳島ラーメンの中でも主流の「茶系」に分類される、豚骨コクと醬油の旨味がギュッと凝縮された豚骨醤油です。甘辛いコクが口いっぱいに広がりますが、驚いたのはその「後口のキレの良さ」でした。

朝6時から営業されていることもあり、濃厚で満足感はありつつも箸がどんどん進むような洗練されたバランスに仕上げられています。中細のストレート麺は、つるっとした喉越しともちもちした食感が心地よく、トッピングしたワンタンもスープに絶妙に馴染みます。

さらに、広島のブランド卵「タカミツのたまご」を使用した「へそ丼」を頬張れば卵黄の濃厚さとピリ辛のラー油が重なり、まるで「すき焼き」を食べているかのような贅沢な味わいの連鎖に…気づけば、私は無言で完食していました。
「あ!?食レポしようと思ってたのに、夢中で食べすぎて完全に忘れてたw」
思わず独り言が漏れそうになるほど、その一杯には人を無心に、させる力がありました。
🏘️街の温もりに触れて
食べ終わった後の満足感に浸りながら、店内の様子を眺めていました。バリバリと働く女性店主さんの姿はとても格好良く、彼女を慕って集まる常連さんたちの穏やかな表情が印象的でした。
効率やスピードが重視されがちな毎日ですが、この陸橋下の数坪の空間には、かつての広島が持っていたような「顔の見える関係性」と、一杯に心を込める店主さんの「一本筋の通った格好良さ」が同居していました。「また来たい」と心から思える場所に出会えるのは、散歩の醍醐味です。
🌇散歩の終わりに
店を出ると、外は少しずつ夕暮れの気配が漂っていました。再び静かな横川クロスロードを通り、歴史の詰まった横川駅へと戻ります。

1897年の開業から120年以上の時を超え、今もなお地域の産業や文化を、支え続ける横川駅。都会的な便利さと温かな人情が交差するこの街は、ただの「移動の経由地」にするにはもったいない、歩くたびに新しい発見がある場所でした。
ホームに立ち、今日一日の充実感を噛み締めながら、心の中でこう締めくくります。
「次はどの路地裏を歩こうか🚶♂️広島の日常は、まだまだ面白い!」
孤島のグルメのような?独り言とともに私は電車に乗り込み、横川の街を後にしました。
店舗情報:中華蕎麦 一日一生
- 住所: 広島県広島市西区横川町3-1-20
- 営業時間:
- 朝6:00〜9:00 /昼 10:00〜16:00
- 定休日: 水曜日
【インスタ関連リンク】▶ 中華蕎麦 一日一生 公式Instagram


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