広島・宮島を訪れる人々を、その芳醇な香りで引き寄せ続ける名店があります。明治34年の創業以来、駅弁としての誇りを守り、今や広島を代表する食文化となった「あなごめし うえの」。一折の弁当に込められた、歴史と職人のこだわりを紐解きます。
■ 鉄道の開通とともに生まれた「駅弁」の粋
「あなごめし」の歴史は、宮島口駅が開業した明治時代にまで遡ります。
明治34年(1901年)、創業者の上野他人吉さんは、宮島を訪れる多くの参拝客や旅人のために、地元の穴子を使った弁当を考案しました。当時の宮島近海は、良質な穴子が豊富に獲れる名産地。その穴子を焼き、ご飯と合わせたお弁当は、山陽鉄道の開通とともに「宮島名物の駅弁」としてまたたく間に全国にその名を知られることとなりました。
■ 妥協なき「味の継承」4つの真髄
一世紀を超えて愛される味の裏側には、創業時から変わらぬ徹底したこだわりが息づいています。
| 旨味の秘密 | 職人のこだわり |
| 厳選された穴子 | その日に最も質の良い穴子を全国から厳選。脂の乗りと身の締まりを見極めます。 |
| 秘伝の継ぎ足しタレ | 創業から120余年。穴子の骨や身の旨味が溶け込み続けた、深みのある醤油ダレ。 |
| 炭火の魔法 | 熟練の職人が炭火で一枚ずつ手焼き。余分な脂を落とし、旨味をギュッと凝縮させます。 |
| 穴子出汁で炊くご飯 | 特徴的なのは、穴子の骨で取った出汁と醤油で炊き上げるご飯。冷めても米が硬くならず、香りが立ちます。 |
■ 「冷めるほどに旨い」という驚き
「うえの」のあなごめしを語る上で欠かせないのが、お弁当(折詰)としての完成度です。
出来立ての熱々はもちろん格別ですが、折詰にされてから少し時間が経つと、穴子の旨味とタレの香りがご飯に深く染み込みます。この**「熟成」ともいえる一体感**こそが、あなごめしが単なる食事を超えて、旅の記憶として刻まれる理由です。
- 宮島渡航のフェリーを待つ間に
- 宮島口の風情ある本店でゆったりと
- 帰りの新幹線で、旅の余韻を噛み締めながら
どんな場面でも、蓋を開けた瞬間に広がる香ばしさは、広島を訪れた喜びを再確認させてくれます。
■ 広島の食文化を代表する誇りとして
創業から125年。「あなごめし うえの」は、単なる飲食店という枠を超え、広島の歴史を今に伝える文化遺産のような存在です。
時代は変わっても、宮島口の同じ場所で暖簾(のれん)を守り続ける。その情熱が、今日も一折の中に詰まっています。次に広島を旅する際は、この伝統の味をぜひご自身の五感で体験してみてください。

【店舗情報】
あなごめし うえの
- 住所: 広島県廿日市市宮島口1-5-11
- 創業: 明治34年(1901年)
- 公式サイト: 情報を照らし合わせ、正確な伝統の味を提供し続けています。
※掲載内容は2026年時点の情報を基に構成しています。


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